2026.08.12 AI活用

チラシ・LPをいきなり作らない|Ikelabo Skillsに「リサーチから考える力」を追加

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AIに「チラシを作って」「LPを作って」と頼めば、短い時間でそれらしい文章やデザインが出てくるようになりました。

でも、きれいにできたことと、相手に伝わることは同じではありません。

誰に向けたものなのか。

その人は何に困っているのか。

何を比べて選ぶのか。

申し込む前に、どんな不安を感じるのか。

ここが曖昧なままでは、上手そうな言葉を並べても「なんとなく良さそう」で止まってしまいます。

そこで今回、Ikelabo Skillsのチラシ制作とLP制作に、マーケターの視点とターゲットリサーチの工程を追加しました。

追加したのは、AIにもっと上手な言葉を作らせる機能というより、見出しを書く前に一度立ち止まる仕組みです。

この記事では、何を調べ、どう分析し、それをコピーと構成へどうつなげるのかを、図解と説明用の架空例を交えて紹介します。

今回、何が変わったのか

よくあるAI制作では、依頼内容を入力すると、そのままキャッチコピーやデザイン案の作成へ進みます。

スピードが求められる場面では便利ですが、渡した材料が少なければ、出てくる言葉も一般的になりやすくなります。

今回のアップデートでは、コピーを書く前に調査と分析を行います。

具体的には、「2026.08.12.1」で顧客心理の共通基準を追加しました。

続く「2026.08.12.2」でターゲットリサーチの共通手順を加え、チラシとLPの制作工程へ接続しています。

すぐ制作へ進む一般的なAI制作と、調査と分析を経て制作するIkelabo Skillsの流れの比較

見た目を作る前に、誰に何をどう伝えるかを整理する流れです。

マーケターの役割を、AIが丸ごと置き換えるわけではありません。

けれど、制作前に問いを立て、読者の言葉、選ぶ基準、不安、競合の訴求を調べ、伝え方の仮説をつくるという、マーケターが大切にする工程をIkelabo Skillsの標準フローへ組み込みました。

今回の流れは、次の順番です。

  1. 目的、読者、読後にしてほしい行動を決める
  2. 読者の言葉、選ぶ基準、不安、競合の訴求を調べる
  3. 事実と仮説を分ける
  4. 顧客心理を分析する
  5. 一つの主訴求を決める
  6. 見出し、本文、根拠、行動導線を組み立てる
  7. デザインし、公開後の反応を見て改善する

制作前に、まず何を調べるのか

チラシやLPの制作前には、主に次の4つを調べます。

読者の言葉、選ぶ基準と不安、競合の訴求、適切な言葉の難しさという4つの調査項目

1.読者が実際に使っている言葉

商品を提供する側の言葉と、お客様が悩みを表す言葉は同じとは限りません。

たとえば、提供する側が「業務効率化」と呼んでいても、お客様は「毎月、同じ入力作業に追われている」と話しているかもしれません。

検索に使われる言葉、相談時に出てくる言葉、公開されている質問や口コミで繰り返される表現などから、相手が理解しやすい言葉を探します。

2.選ぶときの基準と、申し込む前の不安

価格、実績、相談しやすさ、対応範囲、通いやすさ、専門性など、重視されることはサービスによって違います。

「自分にも合うのか」「追加料金はないか」「初心者でも大丈夫か」という不安が残っていると、興味があっても行動にはつながりにくくなります。

申し込みを急がせるのではなく、何を比べて選び、どこで手が止まるのかを調べます。

3.競合や代わりの手段が約束していること

同じ分野のチラシやLPでは、どのような約束が多いのか。

お客様には、依頼しないことも含めてどんな選択肢があるのか。

似た表現ばかりになっていないか。

競合調査は、他社のコピーをまねるためではありません。

市場の中で、自分たちが何を明確に伝えるべきかを考えるために行います。

4.どのくらいの言葉なら伝わるか

専門用語が通じる相手なのか、日常の言葉へ置き換えたほうがよい相手なのかも確認します。

「インサイト」「ベネフィット」「CV」といった言葉を並べるより、「本当は何を望んでいるか」「どんな良いことがあるか」「相談や申し込みにつながるか」と説明したほうが理解しやすい場合があります。

ウェブ調査を使える環境では、AIが公開されているWeb情報を先に調べます。

ウェブ調査を使えない環境では、必要な情報を質問しながら補います。

調べた言葉を、顧客心理から読み解く

検索結果や口コミに出てきた言葉を集めただけでは、コピーにはなりません。

Ikelabo Skillsでは、まず次の3つの層へ整理します。

  • 今、その人が信じていること
  • その奥で感じていること
  • 本当はどうなりたいのか

あわせて、人が望むことを「手に入れたい」「つながりたい」「知りたい」「守りたい」という4つの方向から確認します。

顧客心理を信じていること、感じていること、本当に望んでいることの3層と、4つの欲求から分析する図

たとえば「ホームページを作り直したい」という言葉だけを見れば、必要なのは新しいデザインに見えます。

けれど、その奥には「サービスの良さが伝わっていない気がする」という不安があるかもしれません。

さらに奥には「必要な人に見つけてもらい、安心して相談してほしい」という願いがあるかもしれません。

これは確認済みの事実ではなく、調査材料から立てる仮説です。

表面の要望だけで決めつけず、本人のこれまでの選択や考えも否定せずに、何を伝えれば判断しやすくなるかを考えます。

見出しを書く前に、主訴求を一つ決める

調べると、伝えたいことはむしろ増えます。

だからこそ、全部を一度に大きく見せるのではなく、今回もっとも大切な欲求と、繰り返し現れた悩みの言葉を一つずつ選びます。

その組み合わせを、チラシやLPで最初に伝える主訴求として扱います。

一つの欲求と一つの悩みの言葉から、最初に伝える主訴求を決める図

チラシ制作では、主訴求が決まるまで主見出しを書かない流れを追加しました。

LP制作には以前から、参考LPの構成、CTA、デザインを調べる工程がありました。

今回はその見せ方の調査とは別に、「誰の、どんな心理へ向けて書くか」を決めるターゲットリサーチが加わった形です。

「これまで何も調べていなかった」という変更ではありません。

参考になる見せ方の調査に、読者の生の言葉を集める調査が加わり、両方を分けて考えられるようになりました。

説明用の架空例1|スマホ写真講座のチラシ

ここからは実在案件の成果紹介ではなく、同じ依頼でも調査前後で判断がどう変わるかを示す説明用の架空例です。

依頼内容は「初心者向けスマホ写真講座の参加者募集チラシを作りたい」とします。

調査をせずに始めると、「スマホ写真講座」「参加者募集」「楽しく学べます」といった案になりやすいかもしれません。

内容は間違っていませんが、ほかの講座でも使えるため、誰が何のために参加するのかまでは見えにくい状態です。

そこで仮に、次のような言葉や不安が繰り返し見つかったとします。

  • 機械が苦手でもついていけるか心配
  • 大人数では質問しにくい
  • 孫や家族の今しかない表情をきれいに残したい
  • 自分のスマホを使いながら教えてほしい

ここから「初心者歓迎」を大きくするだけでなく、「機械への不安」と「家族の思い出を残したい願い」に答える方向を考えます。

見出しの仮説は、次の二段です。

機械が苦手でも大丈夫

孫の笑顔を、スマホできれいに残す少人数講座

スマホ写真講座を題材に、一般的な募集コピーから読者の不安と願いを反映したコピーへ変える説明用の架空例

その下に、少人数で質問できること、体験する内容、持ち物、講師の経験、日程、料金、申込方法を順番に配置します。

変わったのは、言葉のうまさではありません。

誰のどんな不安と願いへ答えるかが決まり、見出しと情報の優先順位が変わっています。

説明用の架空例2|業務効率化サービスのLP

次は「小規模事業者向けの業務効率化サービスを紹介するLPを作りたい」という説明用の架空例です。

調査前は、「業務効率化をトータルサポート」という見出しから始まり、機能一覧、サービス一覧、問い合わせへ進む構成になりがちです。

これだけでは、何から相談できるのか、自分の会社にも必要なのかが分かりにくい状態です。

そこで仮に、次のような迷いが見つかったとします。

  • 何から頼めばよいか分からない
  • 新しいツールが増えるとかえって大変そう
  • 今使っているソフトを全部変えたくない
  • 導入したあとに自分たちで使えるか不安

この場合、機能を先に並べるより、「まず現在の仕事の流れを整理する」という入口のほうが安心につながる可能性があります。

見出しの仮説は、「ツールを増やす前に、いまの仕事の流れを一緒に整理します」です。

小規模事業者向け業務効率化サービスを題材に、機能先行から読者の迷いに沿う情報順へ変える説明用の架空LP構成例

その後に、今の困りごと、最初に行う整理、支援の流れ、現在の環境とのつなぎ方、安心材料、相談方法を配置します。

コピーだけでなく、読者が迷う順番に合わせてLP全体の構成も変わります。

調査結果を、4つの制作判断へ変える

リサーチは、調べてレポートを作ることが目的ではありません。

集めた材料を、次の4つの制作判断へ変えます。

リサーチ結果を見出し、本文、根拠、CTAの4つの設計へ変換する図

見出し

最初に、誰のどんな悩みや願いを扱うのかを示します。

本文と情報の順番

どの順番なら、自分のことだと気づき、方法を理解し、納得できるかを考えます。

根拠

実績、工程、プロフィール、料金、よくある質問など、何があれば安心して判断できるかを選びます。

CTA

資料を見る、体験へ申し込む、相談するなど、読んだあとにしてほしい行動を一つ明確にします。

Google広告の公式ガイドでも、検索した言葉と広告の表現を合わせること、具体的な利点を示すこと、広告からリンク先までメッセージをそろえることが案内されています。

チラシやLPでも、入口で伝えた約束と、その後に見せる内容を一本につなぐことが大切です。

実例・Google広告ヘルプ広告文とリンク先を改善する考え方検索語句、具体的な利点、行動案内、リンク先との一貫性について確認できます別窓で開く ↗

Webページは最初から最後まで熟読されるとは限りません。

Nielsen Norman Groupは、重要な情報を先に置き、意味のある見出しを使い、関連情報を視覚的にまとめることを勧めています。

F字型の読み方が必ず起きるという意味ではありませんが、短い時間でも意味をつかめる優先順位を考える参考になります。

実例・Nielsen Norman GroupWebページが走り読みされるときの情報設計重要情報、見出し、視覚的なまとまりを考える手がかり別窓で開く ↗

リサーチで、しないこと

調べれば、相手の本音がすべて分かるわけではありません。

検索で見つけた情報が、すべて最新で正しいとも限りません。

だから、次の線を守ります。

架空の読者の声、競合コピーの流用、成果保証を避け、事実と仮説を分けるリサーチ方針
  • 読者の声を事実のように作らない
  • 公開された発言を無断でお客様の声にしない
  • 競合のコピーをそのまま使わない
  • 調査しただけで成果を保証しない
  • 確認できた事実と、そこから考えた仮説を分ける
  • 公開前に、依頼者が知っている事実と照合する

米国中小企業庁は、市場調査を顧客を見つけ、事業上のリスクを減らすための判断材料として紹介しています。

需要、市場規模、競合の多さ、価格などを調べることは、制作前の思い込みを減らす助けになります。

実例・米国中小企業庁市場調査と競合分析顧客、需要、市場規模、競争状況などを調べる基本的な考え方別窓で開く ↗

英国政府のサービス設計ガイドでも、利用者の目的、現在の行動、困っていること、実際に使う言葉を理解することが、ユーザー調査の役割として示されています。

実例・GOV.UKユーザー調査がサービス設計を良くする理由利用者の目的、行動、困りごと、使う言葉を理解する考え方別窓で開く ↗

完成案も絶対の正解とは考えません。

AdobeのA/Bテストの案内でも、明確な仮説と成功指標、必要なサンプル設計が重要だとされています。

LPならクリックや相談の反応を計測し、チラシなら配布条件とQRコードなどの導線をそろえたうえで、次の改善材料にします。

実例・Adobe Experience LeagueA/Bテストの基本仮説、成功指標、比較、サンプル設計の考え方別窓で開く ↗

早く作れる時間を、相手を知る時間へ

AIによって、文章やデザインを作る時間は短縮しやすくなりました。

だからこそ、早く形にできるようになった時間を、相手を知ることや、何を伝えるかを考えることへ使えます。

今回のIkelabo Skills更新では、チラシとLPを作る前に、読者の言葉、選ぶ基準、不安、競合の訴求を調べ、分析してからコピーと構成を考える流れを加えました。

チラシやLPを新しく作る場合だけでなく、すでにある販促物の「伝わりにくい理由」を整理するときにも使えます。

「見た目は整っているのに、何か伝わっていない気がする」

「何をいちばん大きく伝えればよいか分からない」

「AIで作ってみたけれど、自社らしさが出ない」

そんなときは、作り直す前に調べるところから始めます。

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