
チラシを作り終えたあと、「見やすいとは思うけれど、本当に申し込みたくなる内容になっているかな」と手が止まったことはありませんか。
今回見せてもらったのは、子どもがいるご家庭へ向けた、防災ワークショップの案内チラシでした。
日時、参加費、講師、学べる内容、申込用QRコードまで、必要な情報はかなり丁寧に入っています。
親子のイラストも明るく、防災を怖い話だけで終わらせない雰囲気もありました。
僕は最初に見たとき、「ダメなチラシだ」とは思いませんでした。
むしろ、良い材料がたくさんあるからこそ、いちばん大切な申込理由が情報の中に埋もれていることが気になりました。
そこで今回は、見た目の好き嫌いで直すのではなく、「誰に、何を感じてもらい、次に何をしてほしいか」から逆算する伝わる度診断を行いました。
その診断結果をクライアント向けのレポートにまとめ、元のトンマナを残したまま、改善版チラシまで作り直しています。
この記事では、診断で何を見たのか、なぜその改善にしたのか、そしてIkelabo Skillsを使うとどこまで一続きで進められるのかを、ビフォー・アフターと一緒に紹介します。
今回やったこと
- 目的、読者、感じてほしいこと、次の行動を先に整理
- 6つの診断軸で、伝わり方を36/60点として可視化
- 安全情報を公的な案内と照合し、誤解のない表現へ整理
- 申込先のGoogleフォームまで確認し、途中で離れそうな点を発見
- 元の世界観を残したまま、長い日本語も入った改善版チラシを制作
- OCR、QRコード、A4印刷用データまで確認
採点だけで終わらず、「では、どう直すか」「実際にどんな一枚になるか」までつないだのが、今回の制作です。
診断前のチラシは、情報が足りなかったわけではない
こちらが診断前のチラシです。

開催日、Zoom開催、参加費3,000円、限定10名、講師の経歴、3つの学習内容、申込用QRコードまで載っています。
親子のイラストと「わが家」という言葉があるため、ファミリー層にも自分ごととして受け取ってもらいやすい状態でした。
一方で、紙面を数秒だけ見たときに強く残るのは、「超・実践型の防災ワークショップがある」ということです。
参加すると何ができあがり、家族の行動がどう変わるのかは、下の方まで読まないと分かりません。
つまり、問題は情報不足ではなく、情報の優先順位でした。
最初に決めたのは、デザインではなく目的
伝わる度診断では、いきなり色や文字の大きさを見ません。
先に、次の4つを言葉にします。
- 誰に伝えたいのか
- 何に気づいてほしいのか
- どんな気持ちになってほしいのか
- 最後に、どんな行動をしてほしいのか
今回の主な読者は、子どもがいるご家庭の保護者です。
特に、「木の下で雨宿りすればいい」「車なら安全」「家の中なら大丈夫」と、なんとなくの知識でゲリラ豪雨や落雷へ対応している人でした。
感じてほしいのは、ただ怖くなることではありません。
「木の下で雨宿りって、実は危険なの」とハッとしたあとに、「あやふやな知識のままにせず、プロと一緒にわが家の備えを作れば安心できる」と前向きになってもらうことです。
そして最後の行動は、QRコードからGoogleフォームを開き、8月26日のワークショップへ申し込むことでした。
この4つが決まると、どの言葉を大きくし、何を上へ移し、何を残すべきかの判断基準ができます。
6つの軸で診断すると、強みと課題が同時に見える
今回は、次の6つの軸で診断しました。
| 診断軸 | 点数 | 見えたこと |
|---|---|---|
| ターゲット適合 | 8/10 | 親子のイラストと「わが家」で、ファミリー層が自分ごとにしやすい |
| ファーストビュー | 6/10 | 防災講座だとは分かるが、保護者の具体的な場面をもっと前へ出せる |
| ベネフィット | 5/10 | 「わが家の行動チェックリスト」が下段にあり、参加後の変化がすぐ伝わらない |
| 構成と流れ | 6/10 | 必要要素はあるが、似た説明が複数あり、視線が分散する |
| CTA | 4/10 | QRはあるが、参加価値や開催条件から離れている |
| 信頼要素 | 7/10 | 講師の顔、氏名、元消防士12年、限定10名が明確 |
総合評価は36/60点です。
ただし、これはデザインの良し悪しを決める成績表ではありません。
「今回の目的に対して、必要なことがどのくらい早く伝わるか」を見るための、現時点の仮説です。
良い部分は残し、目的を邪魔している部分だけを優先して直すために点数を使います。

僕の手が止まったのは、「車なら安全」の部分だった
今回の診断で、最初の大きな山場になったのはデザインではありません。
安全情報の伝え方でした。
元のチラシには、「木の下で雨宿り」「車なら安全だと思う」「家の中なら雷は気にしない」という3つの行動へ、赤いバツ印が付いていました。
注意を引く入口としては、とても分かりやすい表現です。
ただ、これだけを見ると、「落雷時も車へ避難してはいけない」「家の中も危険」と受け取られる可能性があります。
そこで、公的な案内と照らし合わせました。
気象庁の「雷から身を守るには」では、オープンカーを除く自動車の内部は比較的安全な空間で、木造建築の内部も基本的に安全と案内されています。
一方で、豪雨時に冠水した道路や、周囲より低く水が集まりやすい道路へ車で入るのは危険です。
国土交通省の「水深が床面を超えたら、もう危険!」も確認し、改善版では「落雷」「豪雨」「屋内」を分けて説明することにしました。
落雷時の車内避難と、豪雨時の冠水路への進入は、同じ「車」でも意味がまったく違います。
これはコピーを少し言い換えるだけでは見つかりにくい問題です。
読者を動かすことだけでなく、誤解を生まないことまで確認するのも、伝わる度診断の大切な役割だと感じました。
「超・実践型」より先に、家族が持ち帰れるものを見せる
二つ目の課題は、ワークショップに参加する理由でした。
元の紙面でいちばん大きいのは、「第4回 超・実践型 防災ワークショップ」という講座名です。
けれど、このワークショップならではの価値は、下段にあった「わが家の行動チェックリスト作成」です。
元消防士と一緒に、大雨のときの避難先、家族の連絡方法、停電時の対応、落雷時のNG行動、持ち出すものを、ご家庭ごとに整理できます。
それなら、講座名より先に、保護者が自分を重ねられる場面と、参加後に手元へ残るものを見せた方が伝わります。
そこで主見出しを、次の順番へ変えました。
子どもと外出中、雷が鳴ったら。 木の下へ逃げていませんか?
元消防士と60分でつくる 「わが家専用」豪雨・落雷 行動チェックリスト
「講座があります」から始めるのではなく、「自分も判断を間違えるかもしれない」という場面から入り、「家族が迷わず動ける備えを作れる」へつなぐ構成です。
QRコードがあっても、申込導線が強いとは限らない
三つ目は、申込までの流れです。
元のチラシにも、申込用QRコードはありました。
ただ、参加後に得られるもの、日時、Zoom、参加費、定員、QRコードが別々の場所にあるため、申し込む直前にもう一度紙面を探す必要があります。
改善版では、「わが家専用の行動チェックリストを作る」という価値と、日時、開催方法、3,000円、限定10名、申込用QRコードを、紙面下部の一つの流れにまとめました。
さらに、QRコードの先にあるGoogleフォームも確認しました。
すると、診断時点では終了済みの開催回が選択肢に残り、自由記述の質問にも前回テーマの文言が残っていました。
チラシがどれだけ分かりやすくなっても、申込先で「これは今回のフォームかな」と迷うと、最後の一歩で離れてしまうかもしれません。
そこで、フォームの修正点も配布前の確認事項としてレポートへ入れました。
伝えるものを診るときは、紙面だけでなく、その先の行動が終わるところまで見る必要があります。
点数で終わらせず、直す理由をレポートにする
診断結果は、クライアントがあとから見返せる6ページのレポートにまとめました。
点数だけでは、「結局どこを直せばいいのか」が分かりません。
そこで、元の良さ、優先して直す3点、ビフォー・アフター、Googleフォームの確認事項、制作後の検証結果まで、一続きで整理しています。

改善の優先順位は、次の3つです。
- 安全行動を「落雷」「豪雨」「屋内」に分ける
- 講座名より、「保護者の場面」と「持ち帰れる成果」を主役にする
- 参加価値、開催条件、QRコードを一つの申込枠へまとめる
この理由が見えると、「なんとなく大きくした」「おしゃれだから変えた」ではなく、目的に合わせて組み直したことをクライアントと共有できます。
トンマナは前のまま、変えたのは情報の順番
改善版では、元のチラシが持っていた良さを消さないようにしました。
クリーム色の背景、深緑、赤、青、黄色の配色、親しみやすい日本のアニメ調、丸みのあるカード、明るく前向きな防災の雰囲気は、そのまま引き継いでいます。
変えたのは、情報の順番と強弱です。
上から「保護者の具体的な場面」「わが家専用の成果物」「災害別の安全行動」「60分で決めること」「開催条件と申込」へ進むようにしました。
今回は、「長い日本語でも短くしない」「文字も人物もイラストも背景も、最初から一体で生成する」という制作条件もありました。
日本語をあとから載せて整える方法は使わず、長い説明文を含めて完成画像の中へ入れています。
誤字や表現の問題が見つかったときも、文字だけをかぶせて直すのではなく、紙面全体を作り直しました。
あとから配置したのは、クライアントが実際に使うGoogleフォームへつながるQRコードだけです。
改善後は、「何を作る60分か」が先に伝わる
こちらが、診断結果をもとに作り直した改善版です。

改善前と改善後を並べたとき、僕がいちばん嬉しかったのは、元のチラシらしさがきちんと残っていたことでした。
別物へおしゃれに作り替えたのではなく、もともとあった良い材料が、読者へ届く順番に並び直されています。
紙面の最初に、「子どもと外出中、雷が鳴ったら」という保護者の場面が来ます。
そのすぐ下で、元消防士と60分で「わが家専用」の行動チェックリストを作るワークショップだと分かります。
安全情報は、落雷、豪雨、屋内の3つに分けました。
最後は、家族が何を決められるのかを確認したあと、そのまま日時、参加費、定員、QRコードへ進めます。
制作後は、画像の日本語をOCRで読み取り、日付、料金、定員、氏名、本文を元情報と照合しました。
QRコードも機械で読み取り、指定されたGoogleフォームへつながることを確認しています。
A4・350ppiの確認用画像、オンライン共有用PDF、上下左右3mmの塗り足しを付けた印刷候補PDFまで用意しました。
なお、今回の記事で紹介しているのは、配布前の診断と制作結果です。
配布後の申込数や申込率は、まだ計測していません。
「見た目が変わったから必ず申込が増える」とは言わず、公開後の反応を見ながら改善する前提です。

Ikelabo Skillsは、診断だけで終わらない
今回使ったIkelabo Skillsの伝わる度診断は、チラシへ点数を付けるだけの道具ではありません。
目的、読者、感情、行動を整理し、強みを残したまま優先改善を決めるところが出発点です。
そこから、必要に応じて次の仕事へつなげられます。
- クライアントへ渡せる診断レポートを作る
- コピーを書き直す
- 安全情報や申込条件を確認する
- 元のトンマナを残して、改善版チラシを作る
- QRコード、PDF、印刷用データを確認する
- 制作事例としてブログやSNSへ展開する
今回も、「診断」「レポート」「チラシ制作」「検証」「事例ブログ」が別々の作業ではなく、一つの目的から続いています。
僕は、ゼロから別物を作ることだけでなく、すでにある想いや良さを見つけ、必要な人へ届く形に整える仕事が好きです。
今回のビフォー・アフターには、その面白さがよく表れました。
AIに全部を決めてもらうのではなく、人が目的と事実を渡し、途中の判断を確認しながら、一緒に完成度を上げていく使い方です。
自分のチラシも見てほしいと思ったら
すでにチラシやLPがあるけれど、伝わっているか自信がない。
見た目だけでなく、内容、順番、申込導線まで見てほしい。
元の雰囲気を壊さず、直す理由が分かる提案がほしい。
診断結果だけでなく、実際の改善版まで作りたい。
そんなときは、今ある販促物と、「誰に、どうなってほしいか」を見せるところから始められます。
実例・Ikelabo Skillsでできること伝わる度診断からチラシ制作、ブログ、SNSまでどんな材料から、どこまで一緒に作れるのかをまとめています別窓で開く ↗